平行棒は、良い姿勢の学習や歩行訓練、術後の筋力訓練、バランスの改善に必要な運動を補助する効果があります。手すりの高さや幅の調整ができるので、体格に合わせて訓練ができます。平行棒を用いることで安全な訓練が可能となります。また、平行棒は緊急時の車椅子アクセスも可能で、立ち上がり位置の段差の解消や歩行距離の延長にも役立ちます。

使用方法

平行棒は、歩行訓練や動作訓練に幅広く活用されます。平行棒や手すりを使用して、以下のようなリハビリが行われます。

①立ち座り訓練

平行棒につかまりながら、「立ち上がる」・「座る」動作を繰り返します。

②平行棒内歩行訓練

平行棒に沿って体重を移動しながら歩く訓練を行います。

③バランス訓練

関節の可動領域や立位のバランス能力を向上させるため、平行棒を把持できる状態でバランスの訓練を行います。

また、スタッフは患者さんの補助や見守りを行いながら、転倒防止に注意を払います。患者さんの回復状態に応じて、筋力増強トレーニングなども行われます。リハビリテーションを続けることで、快適な歩行が実現を目指します。

メリット

①安定性の向上

平行棒はしっかりとした支持を提供し、患者の安定性を向上させます。歩行や動作訓練の際に手すりを持つことで、転倒やけがのリスクを減らすことができます。

②歩行パターンの改善

平行棒を使用することで、患者は正しい歩行パターンを学ぶことができます。姿勢、バランス、歩き方などを改善するために、正しいステップや重心移動を練習することができます。

③筋力と柔軟性の向上

平行棒を使用することで、患者は腕や上半身の筋力を鍛えることができます。また、柔軟性を向上させるために、腕や肩の動きを広げるためにも利用することができます。

④自信の向上

平行棒を使用することで、患者は自身の能力を実感し、自信をつけることができます。徐々に手すりから離れて歩行や動作を行うことで、自立心や達成感を感じることができます。

⑤多様なトレーニングの可能性

平行棒は様々なリハビリテーション目標に対応するため、さまざまなトレーニングや動作訓練に活用することができます。立ち座り、方向転換、スクワットなど、患者の目標に応じたトレーニングを行うことができます。

リハビリ用平行棒は、安定性の向上、歩行パターンの改善、筋力と柔軟性の向上、自信の向上、多様なトレーニングの可能性など、患者のリハビリテーションにおいて様々なメリットを提供します。

デメリット

①依存性の発生

平行棒を使用することで、患者は手すりに頼る傾向が生じる可能性があります。長時間の使用や適切なトレーニングの欠如により、患者が平行棒に依存することで自立性が低下する場合があります。

②リハビリの限定性

平行棒は特定のリハビリテーション目標に対して効果的ですが、全ての運動や機能の改善には適していません。特に、平行棒に依存する訓練方法が継続されると、他の運動や機能の発展が妨げられる可能性があります。

③制約された動作範囲

平行棒を使用することで、患者の動作範囲が制約される場合があります。特に、平行棒の間に収まるような狭いスペースでの動作訓練では、患者の自由度や多様性が制限される可能性があります。

④心理的な負担

平行棒を使用することで、一部の患者は自身の障害や制約を意識することがあります。平行棒に頼ることが必要な状況で、自立心や自信の低下、抑うつ感などの心理的な負担が生じることがあります。

リハビリ用平行棒には依存性の発生、リハビリの限定性、制約された動作範囲、安全上の問題、心理的な負担などのデメリットが存在します。これらのデメリットを認識し、適切な使用方法とバランスの取れたリハビリプログラムを設計することが重要です。

注意点

①安全確保

平行棒を使用する前に、十分なスペースが確保されていることを確認しましょう。また、平行棒がしっかりと固定され、安定していることも重要です。患者が安全に利用できる状態かを確認し、転倒やけがのリスクを最小限に抑えましょう。

②適切な姿勢と姿勢制御

平行棒を使用する際には、正しい姿勢を保つことが重要です。患者は背筋を伸ばし、バランスを保つように心がけましょう。また、姿勢制御の訓練も重要です。患者が平行棒から手を離してバランスを保つ訓練を行いましょう。

③適切な負荷と進行

平行棒の使用においては、患者の能力と目標に合わせた適切な負荷を設定することが重要です。訓練を進める際には、患者の進歩に応じて負荷を増加させるか、新たなトレーニング方法を導入しましょう。

④監視と補助

平行棒を使用する際には、スタッフや介助者が患者を見守り、必要な補助を行うことが重要です。特に、患者が初めて平行棒を使用する場合や、不安定な状態での訓練を行う場合には、十分な監視と補助が必要です。

⑤患者の快適さと信頼

患者が平行棒を使用する際には、快適さと信頼性を確保することが重要です。平行棒の高さや位置を調整し、患者が安心して訓練に取り組めるようにしましょう。また、患者の意見やフィードバックにも耳を傾け、適切な対応を行いましょう。

リハビリ用平行棒の使用に際しては、安全確保、適切な姿勢と姿勢制御、適切な負荷と進行、監視と補助、患者の快適さと信頼性などの注意点に留意することが重要です。これらの注意点を守りながら、患者のリハビリテーションをサポートしましょう。

規格

●コンパクトタイプで、長さは5段階、高さは4段階の調節が可能です。

●材質:スチール(メッキ仕上げ)

●高さ調節:710〜860mm(4段階)

●長さ調節:1510〜2510mm(5段階)

●全幅/内幅:870/500mm

●手すり径:直径29・32mm

●重量:20.8kg

●組み立て式