コミュニケーションボードは、患者が自分の意思や感情を伝えるために使用するツールです。これは、文字や単語、フレーズなどで構成されています。患者は、視線や指示でボード上の特定の言葉や文を指し示すことで、文章を構成します。この方法は時間がかかる場合がありますが、患者は一つ一つの文字を選択し、意思や感情を伝えることができます。

 またボードにはよく使用される単語やフレーズが書かれており、患者は特定のフレーズを指し示すことで自分の意思を表現することができます。これにより、コミュニケーションのスピードが向上し、より効率的に会話することができます。これらのコミュニケーションボードは患者が自分の意思や感情を伝えるための重要なツールです。

目的

①意思の伝達

構音の障害等により声による表出が困難な方がコミュニケーションボードを使用して自分の意思や要望を伝えることが可能です。ボード上の言葉やフレーズを指し示すことで、相手に対して具体的なメッセージや要望を伝えることができます。 

②感情の表現

感情の表現が困難になる方がコミュニケーションボードを使用することで、喜びや悲しみ、不安などの感情を指し示すことができます。これにより、周囲の人々とのコミュニケーションや情緒的なつながりを維持することができます。

③需要の伝達

日常生活でのニーズや要求を伝えることが困難になる場合、コミュニケーションボードを使用することで、患者は食事やトイレ、快適な姿勢の変更などの必要性を指し示すことができます。これにより、介護者や医療スタッフに対して必要なケアやサポートを求めることができます。

④社会的な参加

 コミュニケーションボードを使用して社会的な参加を促すことが重要です。患者はボードを通じて友人や家族とコミュニケーションを取ることができ、孤立感を軽減することができます。

使用方法 

①ボードの配置

コミュニケーションボードを利用者の目の高さに配置し、利用者が簡単にアクセスできる位置に置きます。また、ボードは安定した場所に固定されていることが重要です。

②指示や視線の利用

患者がコミュニケーションボードを使用する際には、指示や視線を利用して特定の言葉やフレーズを指し示します。例えば、利用者が特定の言葉を指差したり、視線をその言葉に合わせることで、自分の意思や感情を伝えることができます。

③サポートの提供

患者がコミュニケーションボードを使用する際には、介助者や家族のサポートが必要な場合があります。介助者は利用者の指示や視線を正確に捉え、それに応じてボード上の言葉やフレーズを読み取ることが重要です。

④短文やフレーズの活用

コミュニケーションボードには、短文やフレーズが記載されている場合があります。利用者はこれらの短文やフレーズを指し示すことで、より迅速かつ効果的に意思を伝えることができます。

⑤個別のニーズに合わせたカスタマイズ

コミュニケーションボードは、利用者の個別のニーズに合わせてカスタマイズすることができます。例えば、特定の言葉やフレーズを追加したり、カテゴリーを変更したりすることができます。利用者が自分の意思を最も正確に伝えることができるように、ボードを調整することが重要です。

これらの使用方法を基に、患者はコミュニケーションボードを活用して自分の意思や感情を伝えることができます。また、継続的な練習やサポートを通じて、よりスムーズにコミュニケーションを行うことができるようになります。

メリット 

①コミュニケーションの確立

話すことができなくなる方がコミュニケーションボードを使用することで、自分の意思や感情を伝える手段を確立することができます。これにより、患者は周囲の人々とのコミュニケーションを維持し、孤立感を軽減することができます。

②自己表現の促進

日常生活での自己表現が難しくなる方が、コミュニケーションボードを使用することで、自分の意思や感情を具体的に表現することができます。これにより、利用者は自己主張や自己表現を促進し、自己のアイデンティティを維持することができます。

③ニーズの伝達

 日常生活でのニーズや要求を伝えることが困難になる方が、コミュニケーションボードを使用することで、食事やトイレ、快適な姿勢の変更などの必要性を指し示すことができます。これにより、介護者や医療スタッフに対して必要なケアやサポートを求めることができます。

④社会的な参加の促進

コミュニケーションボードを使用して社会的な参加を促すことが重要です。ボードを通じて友人や家族とコミュニケーションを取ることができ、社会的なつながりを維持することができます。

⑤聴覚や視覚の刺激

コミュニケーションボードを使用することで、利用者の聴覚や視覚が刺激されます。言葉やフレーズを指し示すことで、利用者は音や視覚的な刺激を受けることができ、脳の活性化や認知機能の維持に役立ちます。

これらのメリットは、患者の生活の質を向上させるだけでなく、周囲の人々とのコミュニケーションや情緒的なつながりを維持するためにも重要です。コミュニケーションボードは、使用者の声を代弁し、自己表現をサポートする貴重なツールです。

デメリット

①コミュニケーションの制約

コミュニケーションボードは言葉やフレーズを指し示すことで意思や感情を伝える手段ですが、言葉やフレーズの数には限りがあります。そのため、利用者が自分の意思や感情を完全に表現することが難しい場合があります。また、指し示すことによるコミュニケーションの速度も制約されることがあります。予め用意された言葉やフレーズがありますが、これらの表現手段だけでは使用者が持つ多様な感情や意思を完全に表現することは難しい場合があります。使用者が自分の意思や感情を具体的に表現するためには、より複雑な表現や個別のニーズに応じたカスタマイズが必要になることがあります。

②依存性の増加

コミュニケーションボードを使用することで、周囲の人々とのコミュニケーションを確立することができます。しかし、一方でボードに依存することで、使用者が自己表現やコミュニケーションの方法を制限される可能性もあります。 使用者が言葉やフレーズを指し示すことで意思や感情を伝えますが、指し示す行為自体に時間がかかります。そのため、コミュニケーションの速度が通常の会話に比べて遅くなることがあります。使用者が自分の声や意思を表現する能力が低下したり失ってしまうことがあるため、バランスを保ちながらボードの使用を検討する必要があります。

注意点

 ①適切なトレーニングとサポート

コミュニケーションボードを使用するためには、利用者とその周囲の人々が適切なトレーニングとサポートを受ける必要があります。利用者はボードの使い方や指し示す言葉やフレーズを覚える必要があります。また、周囲の人々もボードを理解し、利用者の意思や感情を正しく理解するためのサポートを提供する必要があります。

②コミュニケーションの多様化

コミュニケーションボードは有用なツールですが、利用者が自分の意思や感情を完全に表現するためには、他のコミュニケーション手段も併用することが重要です。たとえば、眼球運動を利用した視線コミュニケーションや、音声合成装置を使用した音声出力など、異なるコミュニケーション手段を組み合わせることで、利用者の表現能力を広げることができます。

③ボードの保守と更新

コミュニケーションボードは日常的に使用されるため、定期的な保守と更新が必要です。ボードの文字やイラストが薄れたり、破損したりすることがありますので、利用者がスムーズにコミュニケーションできるように、ボードのメンテナンスを行い、必要に応じて新しいボードを提供する必要があります。

これらの注意点を考慮することで、コミュニケーションボードをより効果的に利用することができます。利用者の個別のニーズや状況に応じて、適切なサポートや手段を提供することが重要です。

商品説明

◆商品名：RA３-右配列コミュニケーションボード 介護用透明文字盤 50音みぎ配列 (A3判（大）)（気管切開 ALS 脳梗塞 などによる会話不自由時のコミュニケーションツール）

みぎ配列、ベッド上での指さしにも最適、薄くて軽量で長時間の会話にも優しい作りです。

●サイズ

A3判

※サイズ参考

→ A3判:30×42 60g（初めての方やご高齢の方におすすめ）

B4判:26×37 50g（双方の視力がよければ使える大きさ）